有効求人倍率で転職の難易度を図る

働きたいと思っている業界や企業があるものの、転職が成功するか分からないので踏ん切りがつかないという人が一定数存在する。転職しようと思っても希望する条件の転職先を見つけられないとか、応募しても採用されないとなったら無駄足となってしまうのでリスクを負いたくないというわけだ。

こうした転職の難しさというのは、その時によって変わってくる。求人市場全体が人材を求める傾向にあれば、よりたくさんの企業が好条件で求人を出すし、採用の確率も高くなる。逆に、求職者の方が多くなると、競争率が高くなって望みの企業もしくは業界に移るのが難しくなる。こうした求人市場の現況を見極めるのに役立つのが、「有効求人倍率」と呼ばれる指標だ。

有効求人倍率というのは、仕事を探している人に対してどのくらいの求人があるかを示す指標である。たとえば、仕事を探している人が10人いるものの求人が5件しかないのであれば、求人倍率は0.5倍となる。逆に10人の求職者に対して、20件の求人があれば2倍の求人倍率となる。求職者にとっては、有効求人倍率は大きな数字の方が有利に働くというわけだ。

この有効求人倍率は、求人市場全体で出されると共に、それぞれの業界に分類して数字を出している。そのため、全体の平均や、他の業界と数字を比較することによって、自分が入りたいと思っている業界への転職への難度がわかるというわけだ。年によっても数字は変動するので、以前よりも有利な数字となってきた時に転職を決意するという考え方もありだろう。